今年2015年の十条の夏祭りは、陰祭。
二年に一回の本祭の陰になる年なので、陰祭。
十条各町内会の連合神輿大会ではなく、
各町内会の神輿を担いで、それぞれの町内を巡行する。
8月9日(日曜日)、上十条四丁目の御神酒所に11:30に集合。
僕は10:00に集合して、神輿の組み立てなどを少しだけ手伝わせてもらった。
縄を締め、ひとつひとつのパーツを組み立てていくと
びっしょりと汗をかく。
町のたくさんの重鎮の方々が伝統的なノウハウで次々と神輿を組み立てていく。
ちょっとやそっとでは真似できない。
力も要る。
定刻12:00~
担ぎ手さん約80人が一本締めをして、巡行開始!
せいや!の掛け声が響き渡り、町内を担ぎ歩く。
僕などはまだまだ神輿を担ぐのも下手で、あの独特の足の運びも上手く出来ないし、
そもそも背が低いので肩が届かない…(笑)
それでもみんなにもみくちゃにされながら
大声を張り上げて神輿を担いでいると
自然と色々なことを考えることも無くなり
無心になっている自分にフッと気づく。
みんなそれぞれの日常を抱えて今ここに居るのだろう。
それぞれの思いが自然と神輿に吸い込まれ、スッとひとつになっていく。
この巡行が終われば、来年までこの熱狂は帰ってこない
そう思うと自然と声もでかくなる。
今夜寝ればまた月曜日がやってくる…
だから今を精一杯楽しむ。
ひとりひとりそれぞれの思いが“せいや!”の掛け声となって響いていく。
大声と笑顔と汗がほとばしる。
休憩所を提供してくれる方々に一本締めを贈り、巡行は進んでいく。
この熱狂にはまって多くの担ぎ手さんが町中から集まって来ている。
がんばれ、がんばれ!
神輿は面白くて辛くて、そしてちょっとだけ切ない…。
環七を二周回って
御神酒所に帰ってきても
何度も何度ももみ返し
なかなか収まらない。
神様が用意してくれるのは、町への祈願だけではない。
この一体感と、そして神輿を一緒にやったという町全体の連帯感。
そして来年も一緒にみんなでやろうね!という暗黙の了解を守るために生まれる、
この町でいい加減なことはできないという約束。
古臭いような、めちゃくちゃ新しいような。
結構これ本質的な結びつきのような気がする。
神輿が好きだから、この町が好きだから、今日もちゃんと生きる。
ちゃんと隣近所とお互いに毎日を確認しあう。
なんと面倒だろうか。
でも、面倒だからこそ輪が生まれ、絆となり、連綿と町の風土が続いていく。
緩やかな信頼関係みたいなベースが自然と築かれていく。
今年も十条は最高だ。
陰祭のほうが面白いかもしれない!
来年は本祭りだ。
熱狂に取り憑かれて、今日も明日もきちっと生きていこう。